手賀沼の案内人 no.53 NPO法人 手賀沼トラストさん 地元で生きる・地元を活かす 北柏駅の南側に位置する根戸城址から手賀沼までの田畑や里山の保全活動を行うNPO法人手賀沼トラスト。市民活動団体として1999年に発足しました。遊休農地を活用し、無農薬で生態系を大切にする米・野菜作りを市民が体験しながら学ぶ「里山農教室」などを開催しています。 2011年にNPO法人となった後も、精力的な活動は変わらず、現在では大人部会、子ども部会など様々な活動を合わせ、200名ほどの会員がいます。子ども部会では、小さな子どもたちが両親と一緒に参加したり、シニア層が中心だった大人部会でも、最近では若い方の入会が見られ、多世代交流の場にもなっています。会員それぞれの発案から、養蜂部会やハーブ部会、そば栽培部会などが立ち上がり、自主的に好きなこと・関心のあることに取り組んでいます。「地元で生きる・地元を活かす」のスローガンのもと、会員みんなで楽しみながら、手賀沼の景観、自然環境保全に取り組んでいます。 美しい田園風景を受け継ぐために 代表の富沢さんは14年前に手賀沼のほとりに引っ越してきました。翌年、我孫子市の広報誌で里山農教室を知り、すぐに入会。ある日、自宅から目の前の田園風景を眺めていると、機械が故障し手で稲刈りをする農家さんの姿が。「これは見ているだけにはいかない!」と、自宅から鎌を持ち出して手伝ったそうです。話を聞くと、高齢化により農業を続けるのが難しいとのこと。地域の課題に直面し、会でなんとかできないかと、里山農教室とは別に地元の65歳以上が中心となる遊休農地活用チーム、別名GMT65が立ち上がりました。作った作物は参加した時間に応じてみんなで分け合います。「地元の人で農地を守りながら、そこで採れたものを食べて生きる。そういう里山の姿を受け継ぎたい。」そう話す富沢さんからは、地元の土地と人を愛し、農家と近隣住民が一緒になって手賀沼の風景を守っていくという気概が伝わってきました。 NPO法人手賀沼トラスト 活動内容 ・根戸城址や斜面樹林地の保全 ・お米や景観作物の栽培 ・蕎麦や野菜などの農業体験活動 住所:我孫子市根戸新田135-3 お問い合わせ:info@teganuma-trust.jp ※この記事は2022年8月に執筆されています。