手賀沼の案内人 no.39 手賀沼水生生物研究会さん 知ることを喜びながら活動する 手賀沼に息づくたくさんの生きものたち。そんな生きものたちをあたたかく見守ってきたのが手賀沼水生生物研究会(以下、手水研)です。 手賀沼に流れ込む大津川の河口で、特定外来生物であるブラックバスの駆除を始めたことがきっかけで、手水研は2007年に活動をスタート。駆除を行う過程で毎回見られる生きものが変わり、手賀沼が生きものを養う「豊饒の湖」であることを認識したそうです。そんな豊かな命を育む手賀沼の環境を守るために、駆除活動が終了してからも活動を続けてきました。 活動内容は生きもの調査、希少生物保全、自然観察会の3つがメイン。「楽しみながら、味わいながら、知ることを喜びながら!」活動することを大切にしています。そんな手水研が開催する観察会には毎回多くの人が参加しているとのこと。楽しみや喜びを大切にする姿勢が、多くの人を魅了しているんですね。 「生きものの豊かな手賀沼」を目指して 利根川の水を手賀沼に引き込む北千葉導水事業により、2002年に「日本一汚い湖沼No.1」の汚名を返上した手賀沼。しかし、他の湖沼でも対策が進んでいることから、依然として全国湖沼汚染度のランキング上位に位置しています。また、外来水生植物が繁茂する一方で、在来水生植物の生育が悪くなり、確認できる水生生物も種類や数が減っていると感じているそう。 これだけ広く、また流域人口の多い湖沼で環境を改善させることは難しく、手水研でも現状は生物調査や観察会を行うくらいしかできないと語ります。しかし、そうした活動を積み重ねながら、数ある流域の環境保全団体の一員として、どうすれば「生きものの気配の濃い手賀沼」を保全し、取り戻すことができるか模索していきたいと考えています。何より、胴長を履いて水に入り、生きものにふれる楽しさは格別。多くの方に共有してほしいとのことです。 手賀沼水生生物研究会さん 手賀沼と周辺の「水辺の生きもの」を調べ、知ってふれてもらい、保全するなどの活動を行っている市民団体。手賀沼親子自然観察会なども行っています。 手賀沼水生生物研究会さんのHP→ ※この記事は2021年6月に執筆されています。