手賀沼の案内人 no.49 手賀沼里山クラブさん 柏の自然と歴史を守り伝える 柏市大井にある船戸古墳群。手賀沼を見下ろす小高い場所に、約1400年前に造られた、地元の有力者たちのものと思われる古墳が20数基残っています。里山を整備し、自然保護活動に取り組んでいるのが「手賀沼里山クラブ」です。2011年、柏市の里山ボランティア講座第5期生を中心に発足しました。当時のこの場所は笹が生い茂り、ごみが投棄され、荒れ果てた状態でしたが、講座での知識を活かして草刈りや伐木し、古墳を縫うように散策路を設計し、約2年をかけて人々が安全に楽しめる今の形に整備しました。 その後も四季に合わせた活動を続けながら、フィールド外でも古墳の勉強会に参加するなど、自然保護の知識を深めています。「今ある柏の自然、古墳を、いい形で次の世代にバトンタッチしたい。柏は歴史がないと思っている人にも、ここを知ってもらって、郷土意識をもってもらいたい。」メンバーのこの思いが、自然と精力的な活動に繋がっているのだと感じました。 感謝の気持ちで自然を楽しむ メンバーの皆さんはチャレンジと遊び心がたくさん!昔はフクロウがいたらしいと聞くと、大きな巣箱を設置してみたり、台風で倒れた木にシイタケを栽培してみたりなど、今ある自然を生かしながら新しい楽しみをつくりだしています。フクロウもシイタケも、すぐに成果は出ませんでしたが、今ではどちらも実を結んでいるのがすごい! 春にはキンラン、夏にはヤマユリ、秋にはイガグリなど四季折々の植物が楽しめる船戸古墳群。そんな場所で「自然があって、仲間がいて、地主さんの理解を得ながら遊ばせてもらっている。」感謝の気持ちで自然を楽しむメンバーが守るこの場所には、清々しい空気が流れていました。 月4回の活動日には、一般の方もガイド付きで散策ができます。大昔にこの場所に住んでいた人々に思いを馳せながら自然の中を歩き、当時の人の気分になって手賀沼を見下ろしてみてはいかがでしょうか。 手賀沼里山クラブ 2011年5月に発足した自然保護団体。 柏市大井にある約2haの里山を拠点に活動しています。見学・入会等を希望する方はHPに記載の活動日に現地にお越しください。 この記事は2022年5月に執筆されています。