染谷家住宅・現当主。8人兄弟(4男4女)の四男で、お兄さんから染谷家を引き継ぎました。趣味は、早朝の手賀沼散歩やゴルフ。
素晴らしい建築を未来に受け継ぐ
平成31年に国の登録有形文化財(建造物)に登録された染谷家住宅が、10月6日から一般公開されます。鷲野谷地域の名主のお屋敷で、江戸時代後期から大正時代に建てられた建築から、当時の暮らしの様子をうかがうことができます。現当主の染谷文彦さんは、幼少時代この住宅で暮らしており、懐かしいこの場所に想いを馳せます。土間では、大きなかまどで夕食の準備をしたり、風呂焚き用の薪を割ったりと、兄弟そろって手伝いをしていました。お客様が来た時には、手賀沼で釣ったばかりの鰻や鯉をふるまっていたそうです。そんな当主のお気に入りの場所は、主屋・土間の梁組。見上げると、独特な形状の梁やどっしりと太い大黒柱など、迫力があります。敷地内の松や欅が使用されているそうで、染谷家住宅の見所の一つです。文彦さんはこうした歴史的な空間を大事に残し、多くの方に見てもらいたいと考え、大規模な保存修理工事を行いました。「素晴らしい建物を大事に受け継いでいきたい」と語る文彦さんの想いと共に、一般公開が始まります。
染谷家住宅で昔の暮らしにふれる
およそ四千坪の敷地内には、主屋や長屋門、前蔵といった8つの建造物に加え、庭園や里山、畑もあります。こうした敷地内の日々の管理をしている文彦さん。苔を傷つけたくないと、機械を使わずに手作業で雑草を刈り取ります。また、保存修理工事に際しては、染谷家に残っている膨大な史料や家具の整理も、大変だったそうです。こうして大事に守ってきた染谷家住宅を、「多くの方に使ってもらい、体験してもらいたい。」と文彦さんは語ります。地域の小学校の校外学習の見学を受け入れたり、かまどでの料理体験イベントを実施したりと、染谷家住宅を活用した取り組みにも意欲的です。音楽鑑賞が大好きな文彦さんの発案で、座敷でコンサートを開催したことも。「昔の暮らしは不便さや大変さはありますが、同時に豊かさもあったと思います。そうした古くからの暮らしぶりを知る機会になってもらえれば。」と話します。ぜひ、染谷家住宅を訪れ、そこに古くからある空間と時間を楽しんでみてください。

庭園を含む敷地全体が国登録記念物(名勝)。縁側からの眺めは必見。

文彦さんのお気に入りの土間。昔にタイムスリップしたような気持ちになります。

10/6(日)~3/9(日)柏市郷土資料展示室にて、染谷家の建物や歴史に関する展示「染谷家のたたずまい」が開催されます。